親の財産管理が必要となった時の任意後見人制度 - NPO法人日本理美容福祉協会札幌センター | 札幌の訪問美容・理容・出張美容・介護美容 | 日本理美容福祉協会 札幌センター

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親の財産管理が必要となった時の任意後見人制度

認知症の兆しが見えたら親の財産を守りましょう。

親の財産

財産管理

訪問理美容は認知症の方がたくさんおられます。高齢者の7人に1人は認知症を患いますが、事前にお金の管理や施設入居の手続きを頼める人を決めていれば、本人が希望している余生を過ごせていたのではないかと思うときもあります。

認知症を患った時に「自分の意思を尊重して託せる人」がいるのと、いないのでは生活の質は違ってきます。本人の意思を代理していくれる制度に『任意後見人制度』という制度があります。

私自身「任意後見受任者」ですが、任意後見人制度にも落とし穴はあります。一方、制度のメリットとデメリットが知っていれば落とし穴を回避することはできますので、最後までお読みください。

 

 

任意後見人制度とは

簡単にいえば、判断能力のあるうちに、あらかじめ自分で選んだ代理人を決めておく制度です。

認知症や意識障害などで物事の判断がつかなくなった場合に、事前に契約を交わした家族・親族・友人・専門家(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)しておき、本人に代わってお金の管理や介護保険の事務手続きなどを代行してもらうための制度です。

任意後見に対して法定後見があります。
法定後見は、精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害等)により判断能力が欠けている本人を、家庭裁判所が選任した成年後見人によって支援するための制度でほとんどのケースで司法書士や弁護士が選ばれます。

ご家族が申請し成年後見人になれますが、現状は3割で7割は司法書士、弁護士、社会福祉士が成年後見人に選任されます。財産は適切に管理されるものの、全く面識が無い人が後見人ですので、ケアプランを考えるときに本人の意思が尊重されにくい傾向にはあります。

任意後見人制度は、本人の財産管理を信頼できる人にお願いできるので、老後の安心材料になる「制度」といえます。

 

 

任意後見制度の手続き

任意後見契約を結ぶためには、公正証書の作成と登記が必要となります。
書類の作成と登記は公証役場にお任せできますが、判断能力のある本人と支援する人(任意後見人)が必要書類を用意して、公証役場に2~3回程度、出向く手間が必要です。

 

第一の関門 予約

公証役場は執務時間が決まっており、平日の午前8時30分から午後5時のみの対応で、事前に予約して来所します。
予約なしでも来所できますが、公証人に不在場合もあり、予約なしの場合は長時間待つことになるので予約はしておいた方がいいでしょう。予約は電話の他メールでも対応してくれます。なお、メールの場合は後日電話で予約日時の連絡がきます。

 

 

第二の関門 書類の収集

手間がかかるのが書類集めです。
本人が役所に出向いて用意できればいいのですが、高齢者の親が書類(印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票)を集めるのは大変で、家族が代理人として受取るしかない場合もあるでしょう。

印鑑登録証明書には印鑑登録証(カード)の他に氏名・住所・生年月日を伝えなければ発行されません。ちなみに、戸籍謄本や住民票は委任状が発行してくれます。(郵送も可能)

任意後見で用意が必要な書類

・本人について・・・・印鑑登録証明書(又は運転免許証等の顔写真付身分証明書)、戸籍謄本、住民票

・任意後見受任者について・・印鑑登録証明書(又は運転免許証等の顔写真付身分証明書)、住民票

(留意事項)印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票は、発行後3か月以内のものに限ります。

 

 

第三の関門 公証役場へ来所と再来所

1回目の来所では、本人が十分な判断能力があるのかを確認し、任意後見受任者で、正証書にしたい内容を決めて、公正証書作成を申し込みをします。

1回の来所で作成できればいいのですが、公正役場で作成の準備には1週間~2週間程度かかります。次回の予約日時を初回の来所時に決め再び来所して公正証書が完成します。

会社に勤めている方は、事前に1週間後のスケジュールを確認しておくようにしましょう。また、公正証書を作成にはある程度の日程が必要ですので、多忙な時期は避け、期間的に余裕のタイミングを見て準備するようにしたほうがよいでしょう。

任意後見人の公正証書作成と登記には、法定費用として25,000円~30,000円の手数料がかかります。
支払いは公正証書の謄本を引き渡し時になります。

公正証書

公正証書謄本

 

公正証書は代理権の内容が肝

任意後見人が代理できる行為は、代理権目録に記載された行為のみに限定されます。

つまり、代理権目録に記載がなければ、どんなに必要なことでも手を出すことはできません。

代理権目録は、認知症の介護サービスを想定しなければならないので、入院・施設入居の身元引受事項、要介護認定の申請に関する事項,介護契約の締結、変更、解除支払いに関する事項など想定した内容の任意後見契約に仕上げておく必要があります。

公証役場ではサンプル形式が用意されているので、そちらを参考にしながら公証人と相談するといいでしょう。

代理目録

任意後見人の代理権目録

 

任意後見人にはできないこともある

本人から託されても代理権目録に記載できない事項もあります。

主な事項としては

  • 事実行為
  • 死後事務
  • 医療行為の同意

介護が必要となると介護そのもの(事実行為)を頼みたいと思っても代理権目録に記載できるのは事務のみ。
契約や手続きは代理できますが、介護行為は記載することはできません。

任意後見人の契約は『本人が存命している期間』に限られており、死後の事務処理について代理権目録に記載できないのです。
死後事務については、任意後見契約とは別に死後事務委任契約が必要となってきます。

医療行為の同意は本人に代わって任意後見人するといったことは代理権目録に記載できません。理由としては、医療行為の同意や延命治療の拒絶については、他人に委任できないとされているためです。

 

 

■札幌市内の公正役場は2か所

札幌中公証役場

札幌大通公証役場

案内図

060-0001
札幌市中央区北1条西4丁目2番地2
札幌ノースプラザ6階
電話:011-241-4267札幌大通公証役場 (sapporo-odori-notary.jp)
札幌中公証役場

案内図

060-0042
札幌市中央区大通西11丁目
4-63 登記センタービル5階
電話:011-271-4977札幌中公証役場 (kosyonin.jp)


 

ノーリエFP事務所

このコラムを書いた人

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