雪捨て場がない住宅地では、排雪業者と契約するご家庭は少なくありません。しかし、少子高齢化に伴う人員不足、燃料費高騰、排雪処理場の郊外化などの影響により、排雪業からの撤退や排泄の遅延や中止が目立つようになりました。
札幌の排雪会社の多くは『料金前払い制』が多く、仮に暖冬で雪が降らなく排雪回数が少ない場合でもシーズン契約の場合、返金に応じてくれるところは少ないのが現状です。
業者が廃業するリスクはゼロではありません。排雪が頼めないとき、他の雪対策にどのようなものあるのか考えてみましょう。
除雪機
大量に積もった雪や間口に置かれた雪を一気に処理できる除雪機は一家に一台あると便利な機械です。ただし、購入費用が20万~180万円と高額なので、いつかは欲しいけど我慢している御家庭は多いのではないでしょうか。
購入で悩む
ところは価格の差でしょう。
価格の差は機能とパワーに比例しています。新雪で積雪量が15cm程度の軽い雪なら20万円程度の除雪機でもストレスなく作業できますが、重みでしまった間口の雪を処理しようとすると機体が浮き上がらないタイプの除雪機50万円クラスでないと除雪に時間がかかります。
除雪機の選び方のポイントは、【積雪量】【除雪したい面積】です。そこにプラスして、雪を飛ばす距離や1日の降雪量、機能と出せる予算を総合的に加味して選ぶことになります。
間口の距離より投雪距離が遠いものを選ぶといいでしょう。
ただ注意してほしいのは、バッテリあがり、盗難が多いこと。操作ミスによる事故もありますが、最近のモデルには安全装置がついているので、安全装置を解除しなければ事故は少なくなっています。その他、メンテナンス費や保管に毎年1万円~2万円程度はかかる点にも留意しておきましょう。
融雪機
雪を融かして処理する器具として融雪機があります。
融雪機は、地中に本体を埋設いるタイプと移動式のものがあります。熱源が主に灯油で、バーナーの燃焼熱で水を温め、温めた温水をポンプで雪の上に噴射する仕組みです。
融雪機の利点として、噴射により雪を融かせるので、スコップやママさんダンプで入れた雪をドンドン入れていけます。固い雪や氷もそのまま投入可能なことです。
デメリットとしては、バーナーによる燃焼のため、融雪機の使用中は人が近くいる必要があります。また、主な熱源が灯油のため燃料費の値上がりやメンテナンスに費用がかかります。
気になる融雪機のランニングコストは、ワンシーズンで灯油を平均200リットルぐらい消費するので使うので、1リットル 119.54円(令和4年6月)で換算すると23,908円になります。災害級の大雪だと3万円ぐらいかかってしまうかもしれません。
メンテナンス費用も含めるとワンシーズン5万円程度前後が相場といえるでしょう。
融雪槽
融雪槽は、融雪機の強制的に雪を融かすのではなく、ゆっくり融かす仕組となります。融雪槽には、地下水などを使ってゆっくり融かす方式と灯油などの熱源を使用するものがあります。
住宅の環境によって設置可能な融雪槽を選ぶことになります。
融雪槽の特徴として、地下水をくみ上げて使える地質であれば、ランニングコストは少なく、ワンシーズンの費用は2,000円から5,000円程度と設置後の負担が抑えられるメリットがあります。※設置する地質によって地下水が使えない地域もあります。地下水の活用ができない場合は、ガス(都市ガス・LPガス)、灯油、ヒートポンプなどの熱源が必要となります。
導入にかかる費用は?
融雪槽の設置には、70〜170万円程度の費用がかかります。実は金額面でいえば、融雪機と融雪槽に対した価格の差はさほどありません。
積雪の処理、敷地の面積によって検討が必要となりますが、融雪機は一気に雪を融かせますが音が大きいので、早朝や深夜に使用するのには不向きといえます。静かな住宅地では
音の静かな融雪槽のほうがよいかもしれません。
支払いの負担が軽減する公的な融資制度
札幌市では、除雪に対する融資の補助制度があります。購入費用の補助はありませんが、設置費用を無金利で融資してくれる制度があります。
個人・法人とも利用可能で、間口や宅地内の雪を処理するため、宅地内に固定式の融雪槽(機)またはロードヒーティングを設置する場合に、融資限度額300万円、無利子で融資が受けられます。
ただし、融資枠には上限があり、令和4年度は25件に達し次第受付を締め切られますので、設置を考えている人は、早めに申し込みましょう。
詳しくは、融雪施設設置資金融資あっせん制度/札幌市を参照ください。
設備の導入は慎重に
除雪機、融雪機、融雪槽の購入には、まずは販売店メーカーに相談するようにしましょう。
地中に埋める融雪機、融雪槽は槽設置する場所によって、別途かかる工事費も変わってくるのでメーカー等に相談すると具体的な見積もりを取ることが大切です。
その上で、ライフプランに合った設備投資なのか家族と話し合って決めるようにしましょう。雪の捨て場がなく処理に悩まれている御家庭は、導入を検討してみてはいかがだろうか。
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