Aさんは生まれつき進行性の脳性麻痺を抱える男性です。他の子供たちよりも発育が遅れており、小学生の頃は歩いたり走ったりできましたが、会話は難しくなっていました。簡単な言葉なら相手の言葉を理解できるようでした。
中学1年生の時、インフルエンザに感染し、体力が低下している最中に睡眠中に誤嚥性肺炎になりました。以後、体力と筋力が次第に低下し、食事は自分でできても座ることが難しくなり、リクライニングチェアが必要になるほど進行しました。主にお母さんが常に介護をし、時折特別支援学校に通学していました。
中学生になると身体が大きくなり、ベッドから車いすへの移動が難しくなりました。散髪もお母さんがリクライニング車いすで連れて行きましたが、理容室でも後頭部の整えが難しくなりました。そこで、お母さんはインターネットで訪問理美容を知り、予約を試みました。
初めての経験で何を用意すべきかわからず、寝たきりの障がいを持つ子供の髪を切ってもらえるか心配でした。Aさんはリクライニングチェアでは寝返りが難しく、後頭部のカットが難しいため、ベッド上での丁寧なカットが行われ、お母さんも大変満足されました。
進行性の障がいを持つ成長期の子供を抱え、日々は辛いことも多い中、お母さんは1つの悩みが解決されたことに喜んでいました。
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