高齢社会に訪問理美容が貢献できること - NPO法人日本理美容福祉協会札幌センター | 札幌の訪問美容・理容・出張美容・介護美容 | 日本理美容福祉協会 札幌センター

コラムColumn

高齢社会に訪問理美容が貢献できること

日本は世界の中でも、最上位で高齢化率が高い国です。

2023年は人口に占める65歳以上の高齢者の割合は29.1%となりました。つまり、約3人に1人は高齢者ということになります。

この高齢化率の上昇は、今後も続いていくと推測されており、2040年には34.8%、2045年には36.3%になると見込まれています。(※1)

訪問理美容のサービスは、理美容の施術を行うことであり、対象となるのは、外出することが困難な高齢者や療養者などです。

『髪を切り整える』『ひげを剃る』などの施術をおこなうのが私たちの役割です。そして、この役割を通じて、高齢化がますます進むこれからの社会全体にも貢献できることがあると思うのです。

現行の介護保険では、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けていけるよう制度を整えているので、自宅で過ごす要介護者は今後も増えていくでしょう。したがって、自宅に訪問して行うサービスはますます需要が高まっていくと考えられます。訪問理美容もその一端を担うサービスとして社会のニーズに対応していくことができるでしょう。

訪問理美容は、常時自宅で介護を行っている家族もサービスの対象となっています。自宅で過ごす要介護者が増えるということは、自宅で介護を行う家族も増えるということであり、核家族化などを背景に老老介護(高齢者が高齢者の介護を行うこと)もますます増えていくと予測されています。そういった中で、介護が必要な人だけでなく、介護を行っている人をどう支えていくかという課題に対しても、訪問理美容は力になることができるのです。

そして、社会的孤立も高齢者を取り巻く課題として挙げられています。施術をする際は、仕上がりの確認などで自然と会話のやり取りが生まれます。また、それらのやり取りから雑談につながり自然と会話がはずんでいくというのも、理美容の施術中にはよくある風景です。髪の毛はどんどん伸びるので、定期利用につながりやすく、なじみの関係を作りやすいのも特徴です。訪問理美容は、容貌を整えるだけでなく、コミュニケーションの機会を提供し、地域とのつながりを感じていただく場ともなりえるのです。

訪問理美容のサービスを通じて、個人の気持ちをポジティブにするお手伝いをしていきたい。そして、そのことが社会全体にもポジティブな影響を与えていけると信じ、これからもサービスを提供してまいります。

※1 総務省 報道資料『統計からみた我が国の高齢者』

https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics138.pdf