理容師が繋ぐ在宅生活 - NPO法人日本理美容福祉協会札幌センター | 札幌の訪問美容・理容・出張美容・介護美容 | 日本理美容福祉協会 札幌センター

コラムColumn

理容師が繋ぐ在宅生活

男性高齢者が通う床屋さん

サラリーマンをしていた頃から、週1回、自転車で10分ほどの理容室に散髪、顔そり、シャンプーをしに行くことが、習慣だった80代の男性の方の話です。

元気な方でしたが80歳を過ぎた頃から徐々に忘れてしまう日が出てくるようになっていました。

ある日の出来事です。いつもの道が工事中だったので、回り道すると、道がわからなくなり、数時間帰れなくなってしまいました。他に、自転車で帰宅途中に電信柱に接触して、転倒をしてしまったこともありました。

それでも、本人にとっては、理容室で顔剃りをしてもらうことが1番のリフレッシュで、店員や他の客とのコミュニケーションもできる憩いの場にもなっているようで通うのが楽しみだったようです。

 

自転車に乗って床屋に通う80歳の男性

近隣住民や他の客、理容師にも、「もう危ないから、やめた方が良い」と言われても、「頭と顔をスッとする泡で剃ってもらわな調子が出やんのや!」と豪快に笑い飛ばして、やっぱり自転車で行ってしまいます。

回りから助言や注意されても、言われたことさえも忘れてしまっていることもあり町内会でもどう対応していいのか困っていたといいます。

 

出張で理容

行きつけの理容室では訪問はできないので、介護福祉士の資格を持つ訪問専門の理容師を紹介することになりました。

後になって分かりましたが、本人も本音を言えば、体力に不安に感じていたようでホッとしたそうです。

 

出張理容のきっかけで暮らしが良くなる

理容師が実際訪問してみると、掃除洗濯や料理等の家事が自分でまったくできなくなっていることがわかりました。。

理容師から、地域包括支援センターに相談をし、離れて暮らしている家族にも地域包括支援センターから連絡をして、介護サービスを受けることになりました。認定調査等の介護に必要な手続きは、地域包括支援センターが支援し、病院にもしっかりかかりはじめると、認知症の診断がつきました。

介護サービスを受けるのに必要な要介護・要支援認定の結果は、要支援2の決定がでました。

現在は、週1回の運動特化型デイサービスと訪問介護を介護保険で利用し、月1回は訪問理容を継続することになりました。

介護サービスの利用者が出張理容を依頼されることが多いですが、出張理容がきっかけで介護サービスで生活改善につながることもあります。

このコラムを書いた人

npoUser
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