統合失調症患者の引きこもり生活から脱却する喜び - NPO法人日本理美容福祉協会札幌センター | 札幌の訪問美容・理容・出張美容・介護美容 | 日本理美容福祉協会 札幌センター

コラムColumn

統合失調症患者の引きこもり生活から脱却する喜び

統合失調症で引きこもりの女性

 

ベッドの上で落ち込む女性

Aさんは、48歳です。80歳の父、73歳の母との3人暮らし。

80歳の父親は軽い認知症があり、73歳の母親は糖尿病で、数年前に左足を切断し、電動車いすで生活しています。

日常の様子は、80歳の父が、母に声をかけてもらいつつ、毎日の料理や洗濯などの家事を担うことで回っている感じです。

 

Aさんは、20代の頃に仕事の人間関係が元で、統合失調症になり、それ以来、引きこもるようになってしまいました。
一時期は入院をする程の症状がありましたが、現在は調子が悪い時は自分の部屋から出てこれない時もありますが、就労支援B型に通所しています。

両親は介護保険を利用し、訪問介護やデイサービス、訪問看護を利用しています。併用して定期的に介護保険外サービスも利用され、訪問美容で、カットやカラーをしてもらっていました。

 

一方、Aさんは人に会うのが怖く、前髪が伸びて煩わしくなると、いつも自分で切っていました。

しかし、父と母が楽しそうに美容師と会話をしながら、カラーの色を決めている様子を見て、毛染めには興味を示している様子でした。

 

そんなある日こと。娘のAさんは、 お母さん「一緒に毛染めしたい」と言ってきたそうです。

母親は嬉しくて、いつも頼んでいる訪問美容師に連絡して、日程を決めました。

しかし、予約の日、Aさんは緊張と不安で一晩眠ることができず、体調が悪く、キャンセルとなってしまいました。

 

今度はお母さんと美容師だけで日程を決め、Aさん本人には訪問日を伝えないことにしました。

Aさんが気構えてしまうからです。

当日、何も知らないAさんは自分の部屋でゲームをしていました。

美容師が訪問するとびっくりはしましたが、拒否をすることはなく、リビングでお母さんが見守る中、カットと顔そりを受けられました。

Aさんは徐々にリラックスし、美容師と会話を楽しまれていました。

ホットタオルを当て、頭や首筋のマッサージをすると「気持ちいい」と喜ばれます。

加えて、ネイルもされました。

 

通常、内臓に疾患がある高齢者は、ネイルをすると体調の観察を行いにくいので、爪に色を塗ることは避けたほうがいいのですが、Aさんは他に持病はないので、問題ありません。

爪を整え、ピンク色に塗ってもらい目に涙を溜めて「何年振りにこんなにかわいくしてもらったんだろ。楽しかった大学生の頃に戻ったみたい。」と喜ばれました。

翌日の就労支援のスタッフに見せて、かわいいね。と言ってもらい嬉しかったようで、自分でSNSに投稿したそうです。

 

このコラムを書いた人

npoUser
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